先日、友人の結婚式に呼ばれたもんで出席しました。まさかの5組目です。「なんだよおい、また同窓会で何やらあったのかよ」と思ったのですが、そもそも同窓会開催時点で交際中だったそうで。それが私の耳に入ってきたのは同窓会から半年以上経過してからでした。

私と奥さんが交際を始めたころ、そういう関係を友人たちに伝えた際には「経緯はわからんが、その組み合わせは納得いく」とよく言われました。我々がセットになっている光景には、さほど違和感はない、と。誉められてるのか貶されているのかわかりませんが、好意的な意見ではあったので、まあそんなもんか、と。

それに対して今回の友人たち。最初に私が聞いた時は、その組み合わせは冗談だろうと思いました。だって、どちらかと言うと不真面目な彼と、どちらかと言わなくても真面目な彼女の組み合わせでしたから。奥さんにこの話を聞かせても、私と全く同じ反応でした。それくらい、どこをどうやっても非現実的な組み合わせでした。

そんな彼らが何だかんだでご結婚だそうです。んで、私が新郎友人として出席、と。うちの奥さんも出番かと思ったのですが、新婦とはさほど親しくなかったそうで。喧嘩していたとかいう訳ではなく、所謂「違うグループに属していた」んだそうです。過去に何らかの接点がなかったのか聞いてみたのですが、「調理実習で甘口カレーを作ったら、『こんなに辛いカレーは食べた事がない』と言われた」なんてエピソードしか聞き出せませんでした。本当に接点がなかったようです。まあ、私と新郎との接点もそんなに有るわけではないのですが。小学校は違うし、中学校は三年間別のクラスだし、高校も違うし。携帯の電話番号を交換したのもつい最近の話です。なまじ親しくなっていると、かえって電話番号なんて聞きにくいものですよね。「え、知らなかったの」とか言われると困りますし。ただ、接点が有るわけではないながらも今まで何らかの形で継続して接触はあったわけですので、そこは奥さんとは違う訳です。

さて、式当日の事。前日から実家に泊まり、昼前に集合して親族とバス移動、というスケジュールでした。ヒゲを剃ったりゴロゴロしたり、ゆっくりと支度をしながら母と雑談をしていました。そう言えば今日の式の内容を伝えてなかった。地元の友人たちの式なのでひょっとしたらどこかに接点があるかもしれない。そう思い、行政区込みで「今日は○○の山田さん(仮名)と××の佐藤さん(やはり仮名)の式でねえ」と話を振ってみました。すると、「××の佐藤さん?」と、新婦の名前に食いついてきました。「佐藤さんって、お父さんの名前が太郎さん(覚えてないから仮名)の?」とか聞いてきます。「お父さんが△△の仕事をしてた?」とか聞いてきます。知らんがな。

新郎側ならまだしも、新婦側の、しかも父親の職業とか聞かれても困ります。別の出席者に確認をしてみたところ、どうやら「××の佐藤さん」のお父さんは「△△の仕事をしていた太郎さん」であるようです。母に伝えると、「実は」と話をしてくれました。

外出先で知人に会った母。
以前一緒にPTAの役員をやった事があるその知人から「娘が結婚する」と話を聞き、「あら実はうちも最近娘が結婚しまして」と盛り上がる母。
その中で「結納はどうしたのか」と相談される母。
「うちはそういうアレコレはホテルで」等と回答する母。
検討した結果自宅で結納をやる事になったけど、床の間が散らかってたり狭かったりでどうしたものかと困ってその知人から再度相談された母。
「じゃあうちがお手伝いしましょう」と床の間改装工事を受注した母。
並びに工事を行った父。

その知人が「××にお住まいで△△の仕事をしていた佐藤太郎さん」だと。一番でかい接点が出てきました。結納のお手伝いは凄い。話が見事につながった事で母から、そして父からも「佐藤さんにはきちんとご挨拶してくるように」と言われました。ご近所づきあいの話ではなく、建設会社の営業として、です。新郎友人として呼ばれたはずなのに何しに行くんだ俺は。

披露宴では中盤過ぎにようやく新婦ご両親にお会いでき、「その節はごにょごにょ」とご挨拶ミッションも達成できました。後で考えてみると新郎ご両親に挨拶をしていなかったような気がしないでもないような気がしますけど、その辺は酔っ払ってたから分かんないや。これで後日「山田さんちにもご挨拶しないといけなかった」なんて接点が出てこられても困りますが、今までそういう話は聞いたことがないので恐らく問題ないはずです。

披露宴ではスタッフが「新郎新婦に一言」とカメラを持って各テーブルを周っていました。だいたいああいうのって「おめでとう」とかそういう当たり障りのない無難な言葉しか出てこないもんですが、今回は「新築や増改築の時はよろしく」と宣伝をしてきました。やっぱ営業じゃないか。出張費とか請求できんもんかな。


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