2010年度の冬はやたらな寒さに見舞われています。九州においては「積雪」という気象現象は十年に一度レベルの大事件なのですが、それが結構頻繁に起きています。最近は車を運転する際によくAMラジオをつけているのですが、それから流れる交通情報では「○○峠で通行止め」とか「国道○号線でチェーン規制」なんてニュースをよく聞きます。「九州自動車道や大分自動車道、長崎自動車道が雪のため通行止め」とも聞きます。山間部は大変そうです。

雪が身近に訪れている今冬ですが、先日我が家は佐賀県の天山スキー場へ雪遊びに行ってきました。南国九州とは言え、ちゃんと営業しているスキー場はあるのです。その一つが福岡県と佐賀県の境界に位置する筑紫山地にある天山。友人たちの中には自分の車で訪れる者もいるようなのですが、生憎と我が家には雪山用の車両装備はありません。すごいタイヤも、勿論タイヤ用チェーンもありません。わざわざ購入したところでシーズンあたり一度くらいしか使うあてがないので勿体ない、だから天山には行けないと考えていました。ところが、先日天山スキー場のサイトを見てみると、「日帰り往復バスツアー」があるとか。バス往復でリフト券付きで一人五千円だそうです。行き帰りに運転しないでいい事を考えるとこれは非常にお得なのでは。そう思い家族四人で申し込みました。

現地では様々な準備不足に見舞われました。子供たちの靴が薄手だったので雪がしみ込み、靴下もろともびしょ濡れになってしまったり。勿論替えの靴下も準備していたのですが、靴そのものがやられてしまってはどうにもなりません。あと、私が帽子を準備しておらず、現地に到着してあまりの寒さに泥縄的に購入する羽目になったとか。他にも首回りが寒かったんで次回は注意しよう。

今回の目的は「雪遊び」でした。スキー場ではスキー教室なども開かれていたのですが、滞在時間の都合上参加は難しいスケジュールになっていました。そもそも子供たちは初めて大量の雪に触れるため、放っておいても飛び跳ねて遊ぶだろう、と。ソリだけレンタルしたのですが、実際に飛んだり跳ねたり転んだり埋まったり投げたり投げられたり、体力と体温の続く限り遊び倒しました。で、また今度来るときはスキーかスノーボードかやってみようか、と次回に含みを持たせて帰りのバスへと向かいます。バスの出発時刻は午後四時。きちんと十分前に到着し、お菓子でも食べながら出発を待ちます。

が。出発時刻になってもまだバスは動きません。どうも台湾からお越しの何某さんがまだ戻ってないとか。台湾って凄いなおい。結局集合時間を十分ほど超過した頃に、その台湾の何某さんが無事戻って来て、バスは出発しました。その間お菓子を食べお茶を飲み、のんびり待ちながらも自然と話題はその何某さんの事になります。台湾、沖縄よりさらに南にあるから暖かいんだろうな。そこからわざわざやってきて、地方のバスツアーに単独参加するくらいだからよっぽどスキーが好きなんだろうな、と。

ここで思いついたのが、「ひょっとして日帰りで行き来できるのではないだろうか」という事。そう言えば昨年末くらいから、羽田空港で深夜に国際便が発着するようになり海外旅行や出張が便利になりました、という記事や番組を何度か見る機会がありました。台湾と福岡くらいの距離なら、ひょっとしたら早朝の便で入国し、深夜の便で帰国したらスキー帰りにラーメンの一杯もいけるんじゃなかろうか。「南国台湾はこんなに暖かいよ」という旅行のチラシを見かけましたが、その反対に「日帰りスキーツアーができますよ」というセットプランができそうです。台北空港を午前五時くらいに出発して八時着。バスが天神を九時に出発するんでそれに合わせて移動してスキー場到着。帰りは六時に天神に戻ってくるんでちょっと自由行動の後で午後九時くらいの飛行機で出国し深夜に帰国。おお、頑張ればいけそうじゃないか。

と思って飛行機の時刻表を調べるとそもそも朝一の飛行機が午前十一時着とかなんで初手からアウト。件の何某さんも日帰りではなく、少なくとも前日には入国していたことが分かりました。まあ早朝から深夜まで拘束されてスキーってのもしんどいしね。でも将来早朝深夜に格安便なんてものが就航したら学生あたりの貧乏旅行のネタくらいにはなるかもしれません。台湾からの距離で言うと宮崎の五ヶ瀬スキー場の方が近いのですが、宮崎空港からは遠すぎる、距離が近い熊本空港には台湾便がないようですし。スキー場業界も景気の悪い話ばかり聞こえてきますが、こういう新規客層を取り込んで、うちの子供たちがスキーやらスノボやら楽しむくらいまでは延命してもらいたいものです。


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