我々の世代というと、幼少期の思い出の一部分として「ドラゴンクエスト」、所謂「ドラクエ」は欠かす事ができません。
幼稚園児には理解できない仕様なのでなす術もなくドラキーにやられたI。
「ゆうていみやおうきむこう」のもょもとなパスワードで挑むも復活の呪文記述ミスにより水泡に帰したII。
なんだかんだで前作、前前作のストーリーは理解していたため最後のボスを倒した後、エンディングで鳥肌が立ったIII。
友人に借りたものの最後の最後でデータが消えたためクリアできず、実は今でも自力でエンディングを見ていないIV。
直線主体のグラフィックを見て「城がカクカクだ」と嘲笑ったV 。
クリアはしたものの隠しボスが強くてそっちは諦めたVI。
ちゃんと本編をクリアしたのはIIIとVIだけだったりします。VII やVIII に至ってはプレイすらもしていない有様。いや、だってうちプレステ2なかったし。VII は初代プレステだったけど、その頃は結婚した直後でいろいろ忙しかったし。

欠かせないとは言っても、私の場合は発売直後に購入してクリアしたものはありません。クリアしたのは発売からある程度時間が経過してから、物によっては年単位で時間が経っていたりします。とは言え、周囲の友人の誰かくらいは購入していたりしたので、そこに遊びに行ってはレベル上げを手伝ったり、金稼ぎをしたりしていました。当時はそれで楽しかったんです。他人のキャラに勝手に感情移入して、勝手に装備品を買い揃えて怒られたり。「鋼の剣が高価でなかなか購入できない」とか「砂漠にいる地獄のハサミが硬いし強いしで苦戦する」といったみんなが通る道もちゃんと当時一緒に歩いていましたから。あと忘れられないのが「敵から逃げるときはタイミングよくAボタンを連射すると逃げやすくなる」理論。誰が言い出したのか知りませんし、おまじないみたいなもんですが、みんな勝手にそんな事を言っていました。で、うまいこと逃げられないと「タイミングが悪い」とか「気合が足りない」とか言い合ってコントローラーを奪われたり。多人数でわいわいやっているからこそできた事ではあります。もうちょっと下の世代だと「モンスターボールを使ってポケモンを捕まえるときに、タイミングよくボタンを押す」といった感じに変わってたりするみたいです。こっちもみんなでゲーム機取り合ってやってたりしたのでしょうか。世代が違うからよく分かりません。

今年の七月、最新作であるIX が発売されました。私としては購入する予定はありませんでした。ほんの数日前にゲーム屋のワゴンにいた「カルドセプト」を購入したばかりでしたし、九月に発売される「ポケモン」を予約済みだったからです。「カルドセプト」は双六とカードゲームを組み合わせたようなゲームで、発売から一年近く経過してもまだ通信対戦が可能なくらいのユーザがいます。よくある「クリアしてからが本番」なゲームですので、じっくりやると一ヶ月や二ヶ月ではとても足りません。「ポケモン」は言うまでもなく有名なゲームで、こちらもきっと何ヶ月と時間を取られる事でしょう。そう考えると、ドラクエなんぞやっている暇はないのです。ただでさえ最近は仕事が人並み程度に忙しくなってきており、雑文を書く暇すらもなかなか取れないのです。金銭的にも、時間的にも余裕がないのですから、正月辺りにお求め易いお値段になったところを狙おうと思いました。

で、何故購入したばかりの「カルドセプト」は早速二軍落ちしてるんでしょうか。何故、私のDSからは、あの耳慣れたレベルアップの音が聞こえてくるのでしょうか。不思議です。
鋼の剣が、登場するとは言え普通の店では売っていないドラクエ。
ギラやベギラマは存在しないドラクエ。
序盤から中盤にかけての魔法使いの主兵器がヒャダルコなドラクエ。
「テンション」などというよくわからんシステムが、どうやら新登場ではないので当然のように存在するドラクエ。
地獄のハサミが中盤もいいとこになってようやく出てくるのであっさり倒せてしまうドラクエ。
着せ替えシステム搭載なので古くなった装備品が売却できず、従来以上に金欠に苦しむドラクエ。
金欠だってのに「メイド服:18000G」などというボッタクリ装備の為にゴールドマンを狩ったり錬金で文字通り錬金術を行ってしまうドラクエ。
でも、メタルスライムを追い求めるのは今までと変わらないドラクエ。
とは言え、今までのように歩いていたら突然襲われるのではなく、敵キャラに接触すれば戦闘が始まるシステムになったのでメタルスライムやはぐれメタル「のみ」追いまわせるようになったドラクエ。

ドラクエのような、そうでないような、でもやっぱりドラクエです。シリーズ初期から慣れ親しんでいるのに、実は初めての「世間と同じスピードで攻略」。実際には一週間遅れではありますが、まあそれくらいなら誤差です。小学生当時ならば「○○まで進んだ」とか「○○を手に入れた」とか毎日言ってたんではないでしょうか。仕事場にはゲーム仲間がいないのでそういうやり取りが出来ないのはちょっと残念です。今のご時世では発売三日もすればまとめwikiで本編があらかた攻略されているんで攻略の楽しみはありませんが。本編攻略だけならまだしも、あんな装置やこんな道具を使って隠しアイテムやイベントすらも解析されてしまうに至っては。

風情がないよなあ。やっぱドラクエと言えば嘘情報が局地的に広まって、幼心が騙されるものじゃないですか。V で「隠しボスを一定ターン以内で倒したら仲間に出来る」なんてのが代表例です。私もI において「どこそこの店の中にある宝箱にはロトの盾が入っている」という話に引っかかった口です。順番が前後してIII を先にやったからこそ引っかかった嘘です。店に向かってベギラマ撃ってみたよ。「壁が壊れるんじゃないか」とか思ったよ。今回、子供たちの間でどんな嘘情報が流れているのか知りませんが、大きくなってから「○○の嘘には騙された」と笑いあえるような、そんな嘘が広まってくれればと思います。


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