小さな子供にとって、年末年始とは楽しいイベントが目白押しの時期です。冬休み、クリスマス、お正月。たった二週間ほどの短い期間に、たくさんの行事が待ち構えています。

まずは冬休み。夏休み以来の大型休暇です。早起きしないでいい、寒い中学校や保育園に行かなくていい、炬燵で昼寝ができるなど、この時期ならではの楽しい出来事が待っています。まあ、我が家の息子達は年末近くまで保育園に通園したり、小学校の学童保育に通ったりと、あまり変化はありませんでしたが。

次はクリスマス。冬休み序盤の、そして一年間の総決算とも言える大型イベントです。いったいどんなプレゼントが貰えるのか、子供たちにとってはまさに運命の分かれ道とも言えるでしょう。昔は「プレゼントを持ってくるのはサンタさん」という事でクリスマスイブの深夜に枕元にプレゼントを置いておくご家庭が多かった事でしょう。しかし、現在ではサンタさんシステムがどう稼動しているのか知りませんが、「クリスマスプレゼント」として親が直接何らかの物を買い与える場合もあります。子供が中学生高校生となっているのならばともかく、幼稚園や保育園に通うような小さい子には夢も与えてあげたほうがいいのではないかとも思うのです。ひょっとしたら親のプレゼントとサンタさんのプレゼントは別物なのかもしれませんが、それは親の財布に厳しすぎます。

冬休みの折り返し地点に待ち構えるのがお正月。子供たちにとっては「お年玉」でしょうか。幼子が心の底から祖父母や曽祖父母に対して長生きを願う時期でもあります。私が子供の頃は祖父母はともかく曽祖父母なんて名前も知らない存在だったのに、私の子供達は曾祖母が三名、曽祖父も一名存命中です。あと二十年頑張れば、私の祖父母は曾孫どころか玄孫まで見る事ができる事になります。いや、理屈の上では可能なんですが、あと二十年はどうでしょうかねえ。寿命の話に脱線しましたが、本題はお年玉です。ポチ袋の中身です。お年玉を貰った。現金を手に入れた。何か玩具を買っていいとなります。クリスマスに玩具をもらったのに、さらに一品追加です。あれがいいかな、これにしようかなと悩むわけですが、必ずしも貰ったお年玉を全て使えるわけではありません。大体半分からそれ以上は母親による「じゃ、これは貯金しておくね」攻撃を受けてしまいます。それでも、日常とは桁が一つくらい違う物を、自分の意思で選ぶ事ができるわけですから嫌でもテンションが上がります。いつもは素通りする玩具屋のゲームコーナーも、あれこれと手にとって眺めています。でも、一つゲームを手にする度に財布の中身を数えさせるのは勘弁して。二分前に数えたから。五分前にも数えたから。増えたり減ったりしてないから。

それだけではありません。お正月と言えば欠かせない餅、そしてクリスマスに欠かせないケーキ。どちらも子供は大好きです。甘いケーキにおいしいお餅。食べるほうでもいろんな物がたくさんあります。

これだけたくさんあるのに、正月早々誕生した私の長男にはお誕生日という年に一度の大イベントも待ち構えています。上記のあれこれに、さらにお誕生日ケーキとお誕生日プレゼントが追加されます。盆と正月どころではありません。ケーキ二種類にプレゼント二種類、さらにお年玉です。あまりにも集中しすぎですが、本人にしてみればそれが普通なのです。ただ、そのせいで冬休み終盤戦は食べ過ぎ、貰い過ぎとなり若干喜びが薄れてしまうようです。

例年だったら以上のイベントラッシュで終わりますが、今年はさらにもう一件大切なイベントが待っていました。クリスマスイブ。振り替え休日となったその日は、福岡市においてポケモンのカードゲームのイベントが開催されました。子供たち、やる気マンマンです。フリー参加の試合に出場すべく、前日は「このカードを入れたほうがいいかなあ」「こっちがいいかなあ」と自分達の資産とにらめっこしています。ようやく納得がいく状況になったのか、翌日の準備をして早めにお休み。これからの二週間、彼らには楽しい毎日が待ち構えています。

待ち構えていたんですが、結局二十四日未明に私と長男を突如襲った嘔吐下痢症のせいで、イベントどころかクリスマスケーキ、果ては年末のご馳走の半分くらいは吹っ飛んでいきました。いやあ、全然食えないの。餅も一個が限度。ケーキなんてとても無理。浮世の義理でビールを飲む機会もありましたが、一口でお手洗いに駆け込むはめに。さすがに年が明ける頃には大分持ち直してきましたが、もうちょっとこう、時期はどうにかならなかったものかと。それと、家族四人で行動する事が多かったのに、何故、私と長男だけがトイレを奪いあわなければならなかったのかと。上のお口と下のお口がてんてこまいにならなければならなかったのかと。

たくさんのイベントが短期間に待ち構えていたおかげで、一度の体調不良であっさり流れていきました。ちょっとした風邪や怪我程度ならばなんとでもなりますが、急激に大幅に体調を崩すとどうにもなりません。かと言って、リスク管理のためにイベントを分散できるものでもありません。どれもこれも、日付単位でイベントが固定されているので動かせません。来年以降もまた年末年始はイベント目白押しなのですが、せめて今後は身動き取れないくらいの体調不良はなるべく回避したいと思うのでした。


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