納豆が食卓から消えたわずかの間、皆様の食生活はいかがだったでしょうか。「しばらくすれば元に戻る」という読みは当たっていましたが、予想よりは若干早めでした。あと一週間くらいは品薄傾向が続くと思っていたのですが、いつの間にやらスーパーの納豆売り場にはいつもの品揃えが戻ってきています。お帰りなさい、78円から100円程の納豆達。

家族の中で納豆を食するのは長男以外の三名。何故か長男は納豆を好みません。その分次男が納豆大好き星人となっています。ちょっと前までは混ぜて掛けてのところまで他人にやってもらっていたのですが、ある時を境に自分で混ぜるところからやるようになりました。いつもは奥さんが納豆を混ぜてあげてたのですが、私と会話しながらうっかりその混ぜた納豆を自分の茶碗に展開してしまったからさあ大変。「僕の納豆があああ」と大泣きです。「まだ納豆残ってるよ」と残っていたパックを見せながら言っても「ママが納豆取ったあああ」と泣き止みません。どうやらそれ以降、「ママは僕の納豆を狙っている」とでも考えているのか、自分で混ぜるようになりました。

この他、次男はバナナが大好物です。家族で食料品の買出しに行くと、青果コーナーでバナナを見つけては「バナナ買うの?」と笑顔で聞いてきます。一房取り上げて持たせてあげるともうご機嫌です。ご機嫌すぎて清算時に苦労するくらいです。いや、これ買うから、お金払わないといけないからね。だからレジのお姉さんにはい、してね。

と、大好物がはっきりしている次男ですが、だからと言ってその大好物がいつでも大好物であるかと言うとそうではありません。好き嫌いに波があるようで、昨日まで大好きだった物が今日になるとそうでもない、という事があります。納豆ならまだいいんですけど、バナナを積極的に食べるのは次男だけなので、バナナの購入はその辺りを見極めないといけません。特に、バナナ嫌いな奥さんには深刻な問題です。

この「好き嫌いの波」。私には思い当たる節があります。と言いますか、どうもこれは私に似たのではないかと。私もそうですから。

ある種の食べ物がとても食べたい。これはふりかけだったり、はたまたお菓子の類だったりと種類は問いません。それが無性に食べたい、毎日食べても飽きない、という時があります。それこそ毎日食べてたりするのですが、ある時を境に全く執着が無くなる事があります。そのきっかけは一定ではありません。ストックがなくなってしばらく摂取できなかったから。はたまたストックはあるのに何故か摂取する気にならなかったから。子供たちが目をつけて私の口に入る前になくなったから。理由はどうあれ、ぱったりと食べなくなります。そうなると、例えストックがたんまりあったとしても一向に減りません。勿論、そのきっかけが訪れずに好んで摂取し続ける事もあります。傾向も何もあったもんじゃありません。

食物の好みに止まらず、その他の趣味にも影響があったりします。あの本が読みたい、凄く読みたい、シリーズ物なら全部持って来い、よっしゃ作者買いだ。そんな勢いで買い続けて、ある時を境にぱったりと興味が無くなったりします。面白くなくなった、全部読んじゃった等々、理由があるのならばいいのです。が、理由もなく、あえて言うならそれこそ「なんとなく」読む気がしなくなる事もあります。年末に掛けて、物凄く某オーケストラ漫画を読みたくなりました。ドラマ化やらアニメ化やらしたあの作品です。読みたい、凄く読みたい読んでみたい、どこか立ち読みできないものか、それとも誰か持ってないか。色々と手を伸ばした結果、奥さんの同僚の方から貸していただける事になりました。但し前半八冊のみ。飢えている私には全く足りません。あっさり読み倒し、おっかわり、おっかわり、つーづーき、つーづーきと催促していました。で、ようやく目の前に続きがやって来たのですが。何故か読み進める気にならないのです。いや、頑張って二冊は読んだんですよ。留学して指揮のコンクールをやってる辺りまでは。そっからがなかなか。いやもうどうにも腰が重くなってしまいまして。わざわざ借りてきてくれたんだから頑張って読めばいいんですけどねえ。


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