「IT革命」という言葉がありました。既に死語というか、化石と化したような言葉ですが、好んで使うような人間もいます。私とか。PCに関わらず、機械関係で困ったことになるとついつい口をついて出てくるんですよ。「よし、ここはIT革命で解決だ」とか。子供とじゃれあってる時に「必殺、IT革命!!」とか。既に元の意味なんてどうでもよくなってます。

元の意味の話に戻すとして。「IT革命そのものの功罪」というものに関しては諸説あるでしょう。「『インパク』なんてものに少なくない税金を費やした」ということもありますし、「地方の通信インフラの整備が進んだ」という点もあります。にしても、今回は「IT革命」だの「インパク」だのと、懐かしいような痒いような言葉が飛び交っておりますな。先ほどの文章を入力するまで存在そのものを忘れてましたし、インパク。思い出せたことが幸いなのか不幸なのかは分かりません。

いかんいかん、脱線しすぎ。先ほどの話ですが、地方在住という事で地方の通信インフラの整備云々というのはありがたい話でした。一昔前は常時接続なんて夢のまた夢。深夜の重い回線状態の中に突撃したり、昼間に一秒単位の接続時間に怯えたり、今では考えられないような時代でした。

常時接続が普及してから何が変化したか。ゲームの類では通信環境の整備の結果、オンラインゲームが普及しました。以前だったら「携帯ゲーム機で有線接続して友人と対戦」あたりが関の山でしたが、今では電話線経由でどこの誰とも知らない相手と対戦できます。また、ゲーム以外ではオンラインでの商取引が普及しました。個人オークションなんかもその一例です。

例えば、旅行に行く際の宿の予約。昔だったらカタログなんかを見ながら電話して予約状況を確認、といった手順が一般的だったでしょう。しかし今では手当たり次第に検索、手当たり次第に確認、手当たり次第に予約といった具合に、比較的少ない作業量で達成できます。また、自動化されているので深夜であっても大丈夫ですし、手違いがあって予約を取り消す場合もそれほど罪悪感を感じません。ええ、小心者なんです。

なんでまたこんな話かというと、先日その恩恵に与ったわけでして。家族四人で旅行に行こう、そうしようということでネット経由で宿を探すことにしました。しかし、行き先は名古屋。現在の名古屋というと万博の影響で殆ど宿がとれないと聞いていました。実際に探してみたんですが、いやー、本当に取れませんな。最初に見つけた宿は一泊数万円のホテル。どう考えても場違いですが、他に空いてる宿が見つかりません。「まあ、仕方ないか。空いてないんだし」という事で予約を終えた翌日。よくよく調べてみるとそのホテル、「お子様お断り」の一文が。見事、振り出しに戻りました。

結局、それから数日後に無事別の宿泊先を見つけることができたわけですが、それらの作業は全てオンラインで行いました。常時接続が普及し、オンラインでの検索・予約サービスが提供されていなかったら宿無しだったのではと考えるとぞっとします。勿論、早めに予約を取っておけばこんな苦労はなかったんですけど、仕事柄あまり先の予定は立てづらいものがありまして。オンラインでのあれやこれやな仕事に携わってる身ですが、それまで考えると、宿が取れたのも、宿をとる金があるのもIT革命様々ということなんでしょうか。


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