ニュースや新聞では様々な世論調査の結果がネタにされています。その中身は様々。各社が独自に行う世論調査であったり、お国がやる世論調査だったり。種類も様々。内閣支持率だの景気動向だの、もうちょっと小さな範囲だと市町村の合併に対する意見だのというものもあります。

ああいう世論調査の対象は、基本的に無作為に選ばれているようです。ランダムなんたら法だの、無作為なんたら法だのと、なんかいろいろ統計学的な方法で対象を選んで答えてもらっているようです。もちろん、その母集団の範囲は大小さまざまなわけで、多少のばらつきは発生することでしょう。「内閣府が行うなんたら調査」なんてものだと、それこそ国民全体が調査対象となります。正確には、有権者全体となるんでしたっけ。また、「2001年に生まれた子供の追跡調査」なんてものは、2001年1月10日以降からある一定の期間内に生まれた子供を対象にするそうです。なんでそんな事を憶えているかというと、私の息子がニアミス(2001年1月5日生まれ)しているからに他ならないのですが。

マスコミなんかが行う世論調査は、突然電話を掛ける方式が多いようです。勿論、予告無しで。今年の夏頃、息子と一緒に買い物に出かけた時の事です。家を出てすぐに財布を忘れた事に気付き、そのまま引き返しました。家を出てから帰るまで、わずか二分程度です。台所で財布を探す私に、相方が話しかけてきました。

「さっき電話があったよ」
誰から?
「んー、なんか世論調査がどうのって。『cloudさんはいますか』って聞かれたから、いないって答えたよ」

嗚呼、もうちょっと出かけるのが遅かったら、世論調査の「有効回答数」の中に含まれたのに。せっかくのチャンスだったのに。是非とも駄目駄目な回答をしてみたかったのに。「次期首相には羽柴誠三秀吉を期待」とか。結局、再度電話が掛かってくる事はなく、私の回答権は幻となってしまいました。

電話調査はこんな具合に「答えてもらえなかったら次」と簡単にできますが、専用の用紙に記入、回収という手順を踏む調査ではそんなに簡単に「はい、次」とやれるものではありません。用紙の印刷にも、回収のための人員にもそれなりの費用がかかります。という事で、この手の調査はある程度母集団を絞っておいて、その中で調査を行うようです。例えば、私が現在居住している地域は、公的な調査の対象になりやすい地域なんだそうです。これはあくまで、「最近の調査では」という条件が付いていたので、何年か毎に対象地域は変わっているんでしょう。そりゃそうです。ずっとそのままだと意見が偏りすぎます。

現在の住居に引っ越してからは、市役所が行う○○調査に始まり、厚生労働省が行う○○調査なんてものまで、結構いろいろなアンケートの依頼がやってきます。これらのアンケート、ちょっとした粗品が貰えます。粗品がもらえるタイミングは様々。回収されたときに粗品が貰える場合もあれば、回答用紙と共に粗品が貰える場合もあります。基本的にはボールペンだとかタオルなんかのちょっとした品物が多いのですが、たまに大盤振る舞いをしてくれるアンケートもあります。

現在、我々夫婦はとある継続調査の対象となっています。なんか、数年間連続してアンケートに答えなければいけないようです。今年は二年目です。と言いますか、その用紙が来るまでそんな事はすっかり忘れていました。

さてこの調査。「継続」という点が重要なのか、それともただ単に予算が余っているのか、やたらと質の良い粗品が貰えます。昨年はボールペンセットが貰えました。ボールペンではありません。ボールペン「セット」です。その中身はボールペン(黒、赤)、筆ペン、シャープペンシル、蛍光ペン(黄、赤)、消しゴムと、やたらと豪華なものです。しかもこれが回答者分。つまり、二セットも我が家にやって来たのです。粗品と言うにはちと豪華すぎます。豪華すぎてあまり使っていないのですが。え?質問の中身?そんなもん、憶えてるわけないでしょ。

さて、今年もそんな調査の時期がやって来ました。ある日、帰宅すると相方から調査の用紙が配られたと聞かされました。

「で、今年の粗品はなんだと思う?」
ボールペンセットじゃなくて?
「じゃーん」

相方の手に握られているのは。なんと、電動歯ブラシです。って、こりゃ既に粗品のレベルじゃないぞ。

うわ、こりゃまた豪勢な。
「もちろん、二つあるよ」
俺の分もですか。はあ、来年は何が貰えるんだろうねぇ。

ちと厭らしい考えですが、こんなに豪華なものを貰えるとなると、ちゃんと真面目に回答しようというものです。だって、ねえ。30分程度時間を費やすだけでこんな物が貰えるんですから。それにしても、なんでこんなに豪勢なのでしょうか。回収率アップのためなのか、それとも本当に予算が余っているのか。ま、どっちでもいいか。所詮無料だし。


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