子供の頃、自分の身長がドラえもんの身長と同じ123cmに到達した時はちょっと嬉しかった気がします。同様に、自分の年齢がのび太君やカツオ君と同じ11歳になったときもちょっと嬉しかった気がします。と書いてて気付きましたが、彼らは11歳でしたよね。小学五年生ではあったと思いますが。

アニメや漫画の登場人物たちは、基本的に年齢をとりません。俗に言う、「サザエ・フィールド」という奴です。誰が言っているのかは知りませんが。何年も続く連載物だと、登場人物たちも自虐的にネタにしてたりします。「新入生が入ってきたのに何故我々は進級しないのだ」とか。低年齢向けだとそんなネタはないみたいですね。今日も明日も十年前も、そしてきっと十年後ものび太君やカツオ君は赤点を取って怒られている事でしょう。

サザエ・フィールドの中ならばともかく、その外で生活する我々はどんどん歳をとっていきます。高校球児達が全員年下になったのはいつだったでしょうか。熊本代表を一生懸命応援していた頃は同じ歳だったり若干年上だったりしたものですが。同様の考えで、雑誌のグラビアで乳とか乳とか、あと乳とかをさらけ出してるお姉ちゃん達が年下になったのもいつだったでしょうか。「1982年生まれ」なんてプロフィールを見ると、途端に自分がおっさんになった気分になります。「気分じゃなくて実際におっさんだろう」なんて夢のない言葉は聞こえません。ええ、聞こえません。

なんか、高校球児やグラビアアイドルがサザエ・フィールドの中の人たちみたいな書き方ですが、勿論中の人たちはどんどん入れ替わっています。「昔高校球児、今おっさん」という人も、「昔グラビアアイドル、今おばちゃん」という人も勿論います。この辺は仕方のないところです。今のところ、サザエ・フィールドは二次元の世界にしか展開されないのですから。

んで、そのサザエ・フィールドの中の人物であるフグ田サザエ氏。「氏」ってのは変だけど「嬢」ってわけにもいかないんで。そのサザエさん、設定上は24歳なんだそうです。
おいおいおい、同じ歳じゃないか。あんた何時から昭和54年生まれになったんじゃい。あんた、24年前もお魚咥えたドラ猫を包丁持って追いかけてただろうに。公衆便所の中には紙がなくて、財布の中には千円札一枚で、「手で拭け」なんて言われてただろうに。関係無いけどこの手の替え歌も24年前と今とでは全然違うんだろうな。

24歳というと私と同年齢ですが、それは即ち相方とも同年齢である事を意味します。昔は「サザエさんって若いのに子供がいるのか」なんて考えてましたが、相方を見てみるとそんなに変な設定でもないのかなと思います。向こうは二歳だか三歳だかの子供がいるわけですが、我々には二歳半と六ヶ月の二人の子供がいます。さすがに小学生の兄弟はいませんが、両親の年齢はそれほど変わらないくらいでしょうか。

しかし、昔ははるか年上だったサザエさんが同じ歳になるとは。そして、あと十年もすれば息子がのび太君やカツオ君と同じ歳になるとは。なんか変な感じです。きっと息子もいつの日かこの変な感じを意識するのでしょう。「ああ、高校球児が年下に」とか「あの乳が年下に」とか。


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