私は工業高専の情報系の学科を卒業して今現在はぷろぐらまぁというお仕事にて家族四人を養っています。高専時代の同期には当然、似たような仕事に携わっている者もおり、私が関わった仕事に関係している人間もいたりします。

「高専時代の同期」というのは当然全員が情報系の学科卒という事で、同職の人間が多いのも当然といえば当然なのですが、それでは古くより付き合いのある連中の中で最も多い職種はなんでしょうか。
これが何故か公務員だったりします。私がよくネタにする面々、これがだいたい両手で余る程度です。その中から未だ学生である者、職がない者を除いた場合、情報系産業(二名)よりも公務員(三名)の人数が多かったりします。しかも、現在就職活動中の大学院生一名が公務員になるべく勉強中ということで、我々の中における公務員比率はさらに高まっていくものと考えられます。

この不況のご時世、公務員というものは魅力的な職業であると言われています。前述した大学院生の情報によると、佐賀県庁では職員一次試験での倍率が過去最高の33倍にまでなっているとか。「千葉県庁の百倍超よりは楽勝だよハハン」などと言っておりましたが、佐賀のような田舎ですらこの現状。おそらく日本中が「応募者過去最高」なんてことになっているのではないかと思われます。

公務員の何が魅力的なのか。第一に考えられるのは『安定した雇用』だと思われます。もっとも、これから各地方自治体が合併を行ったり、人件費削減を行ったりするとなると、その雇用も本当に安定するのだろうか、と疑問に思います。ま、この辺は一介のサラリーマンである私には手に余る問題なんでこのへんで。友人の懐事情に直結する問題ではありますが、所詮は他人事です。

私からすれば、それ以上に魅力的なものが公務員にはあります。それは、「自分の時間がとれる」という点。くそ忙しい日々が続く私からすると、夢のような話です。

先日の事。残業中の私の携帯に友人より一通のメールが届きました。
「今、電話してもいいか?」
送信から着信まで30分のタイムラグがあることに頭を抱えてしまいましたが、休憩がてら連絡を入れてみます。

電話の内容は「いろいろあって妹がパソコンを欲しがっているのだが、安い出物はないだろうか」といった話。そう言えば俺の実家が買い換えると言ってたけど、多分譲渡先は決まってるんだろうな、なんて事を話していました。そのうち、話は何故かネットゲームの事になっていきました。

友人曰く、お前もこっちの世界に入って来い、楽しいぞ、と。それに対して、忙しいから無理だ。そもそもゲーム機がない。パソコンも二世代くらい前のものだ。お小遣制の俺の財政事情を考えてくれ、と言い返しました。

もうちょっと息子達が大きくなれば、「おじいちゃんやおばあちゃんにたかる」という無敵の戦法が使えるのですが、二歳半と二ヶ月ではまだこの戦法は使えません。それ以前に、購入したところで長男の物理攻撃(床に叩きつける)とか次男の化学兵器(ヨダレ)が待ち構えています。あと数年はそっちの世界にデビューはできそうにない、あきらめてくれ、と伝えました。

「ああ、そうか。パパさんも大変だな」
大変だよ。んで、息子達にも同年代の友人が欲しいんだが、その辺どうよ。
「ああ、無理。金がない。同じ職場の先輩たちも、三十歳近くならないと結婚しないもん」
そんなに待ったら、うちの長男は十歳近いぞ。しかし、そんなに給料安いのか。
「安いぞ。だいたい手取りでむにゃもごもご円くらいだ」
い?そんなに安いの?それは俺が必死に頑張った時の残業代よりちょっと多いくらいじゃないか。
「その喧嘩、買った」

暇はあるようですが、収入はそこそこ、と言うかちょっぴりなんだそうです。しかし、私としても胃が痛くなるくらいに仕事してそれなりの収入を得るよりは、もうちょっとゆるゆると生活したい、とも思います。かと言って、今から公務員になる、と言うのも無茶です。うむむ。収入を取るか、時間を取るか。「時は金なり」とはよく言ったものです。ちょっと違うか。


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