少子高齢化が進む世の中です。小児科医も商売にならんということで、どんどん数が減っていると聞きます。にしては我が家の近所には数軒の小児科医があるんで、とりあえずは問題ない、という事で。

さて、少子高齢化が直撃する代表的なものはというと産婦人科です。実際には婦人科の方で商売が成り立っているかもしれないので産科はおまけなのかもしれませんが、とりあえずその辺は置いといて。近年は昔ながらの産婦人科ではなく、「レディースクリニック」という名称でやってる医院もあります。中身はたぶん一緒なんですけど。や、詳しい事は分からないんですけど、たぶん一緒だろうと。違う所というと、外見の綺麗さとかでしょうか。やってる事は一緒でしょう。多分。いや、細かい区別なんて私には無理ですよ。

んで、その産婦人科も顧客獲得に一生懸命です。いろいろあって長男と次男とで別々の産婦人科にて出産する事になったのですが、サービス内容も様々です。ええ、サービス満載なんですよ。

まずは長男が誕生した地元の産婦人科。数年前にできたばかりの新しい医院です。入院前に貰ったパンフレットには、シェフはどこそこの誰々さんがどうのこうので腕によりをかけて召し上がれみたいな事が書いてありました。実際、産婦は三食おやつ付きです。おやつもちゃんとしたケーキだの、ちょっとしたデザートだの、毎回違ったものが出てきます。くそっ、俺は毎日自炊生活を送りながらカレーで命を繋いでいるというのに、といらん事を考えていました。

この産婦人科には特別サービスがありました。近所にある遊園地のホテルと提携したディナーのサービスです。「ほてるででぃなー」です。いやー、場違いでした。何食ったかなんてすっかり忘れてしまいましたが、無料サービスでしたし。あ、宿泊券のサービスもありましたな。とは言え、実家まで歩いて十分程度のホテルになんざ泊まるはずも無く、結局その宿泊券は有効期限切れでただの紙切れとなりました。

では、次男が誕生した近所の産婦人科は。こちらも数年前に完成したような新しい建物です。ここのパンフレットは貰わなかったので、シェフの誰それが云々、なんて事が書いてあったかどうかは知りません。ただ、休日に相方の見舞いに行ったら「今日の夕飯は皆でステーキを食べる」等と言っていたので、それなりに美味い飯が出たことでしょう。ちなみに、その日の私の夕飯は麻婆豆腐でした。でも、片栗粉がなかったため、ただの豆腐と挽肉の炒め物になってしまいました。悔しさ倍増です。

こちらは近所に宿泊施設なんてなかったので、ディナーのサービスなんてものもありませんでした。しかし、その代わり、というわけでもないでしょうが、お土産がたくさんありました。基本的に、出産後、退院時のお土産というと、ミルクの詰め合わせやら、育児用品のカタログなんかが貰えます。長男の時もいくらか貰っていたのですが、次男の時はそれ以上にいろいろと貰っていました。まずは哺乳瓶。長男が使ったものが残っているのに、さらに二つも貰ってしまいました。そんなにたくさんいらんちゅうに。次に粉ミルク。長男はミルク嫌いで大量に余ったため、末期にゃシチューの中に大量投入して処分した覚えがあるのですが。二缶も貰ってどうするよ。あとはカタログの類ですね。お下がりが一杯あるんであんまり必要は無さそうです。

と、ここまではある程度予測できたもの。最後に予測できなかった大物が待ち構えていました。ベビーリング。その子の誕生石がついた指輪です。赤子の指のサイズに合わせてか、非常に小さなものです。当然、石も小さなものです。小さなものなんですが。

次男。四月生まれなんですよ。四月の誕生石、ダイヤモンドなんですよ。いやなんちゅーか。もともとの予定日である五月に産まれてきたら当然違う石になります。それ以前に、地元の病院で産まれる予定だったんで、指輪すら貰えません。本当にこんなもの無料でもらっていいものやら、とも思うんですが。ちゃんと鑑定書付きでしたし。

さあ、次の子供はどこで産まれてくるのでしょうか。そして我々に何をくれるのでしょうか。ディナーか、はたまた宝石か。それとも全く別のものなのか。しかし、ここまでしても商売って成り立つものなんですかな。


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