「こんな夢を見た」と、ある日長男が話をしてくれました。なんでも、「デートをする夢」だそうで。たった一言だけだったのに、これほど突っ込みどころがある話はそうそうありません。ライフルで狙撃されたかのような衝撃を受けました。

デート。デートです。男女の清い交際とかそういうあれです。「同伴」とか「援助」とかそういう単語はくっついてこないのです。そもそもお前、いったいどこでそんな単語を覚えてきたんだ。「どこかの食べ物屋さんで何か食べてた」という事だそうですが、それくらいしか覚えていなかったそうなので話は膨らみませんでした。「どこの店」とか「何を食べた」とか「設定上小学二年生なのか」とか、あと肝心の「相手は誰なのか」とか。聞きたい事は山ほどありますが、しかし何を聞いても「分からない」「忘れた」としか返ってきません。仮に覚えていても言いたくないでしょうけど。まあ、「パパにだけ内緒のお話」だったはずなのに、三時間もすればママにも筒抜けになっちゃったくらいだからねえ。

それにしても、七歳でデートとはけしからん。「お酒は二十歳になってから」ではありませんが、デートなんていうものは二十歳くらいまで我慢するべきです。二次元とかそういうデジタルな虚構世界のあれこれならともかく、「今日は○○ちゃんとデートに行ってくる」とか言って外出されたら父ちゃん卒倒しそうです。お前の父ちゃんは二十歳になるまでデートなんてものは味わった事が無かったんだぞ。その「初めてのデート」においても相手曰く「物凄く挙動不審だった」らしいんだぞ。今でもたまに奥さんにその事をからかわれるんだぞ。それをどうだ、七歳なのに「デートで一緒に食事する」という私にとって非常に高かったハードルを易々と越えやがって。

しかしまあ、あれですね。今の立場とか年齢とか見た目とかそういうのはひとまず横に置いといて、「女の子とデートする夢」なんてのは見てみたいですね。こう、一緒に昼食をとりながらいちゃいちゃうふふとその後の予定を決めてみたり。勿論夢の中ですから私はジェントルマンですよ。一緒に服なんぞ買い物に行って「これ似合うかな」とか聞かれてもちゃんとした感想を言いますし、荷物だって持ちます。ひょっとしたら支払いだってするかもしれません。それに先の見えない買い物地獄にも文句一つ言いません。あと、勿論夢の中ですから相手もこちらの都合のいいように行動してくれます。具体的にどう行動するかは分かりません。いかん、経験値不足がこんなところに影響を。まあいいんです。おっぱいが大きければ。「色の白いは七難隠す」なんて言いますが、それと同じようなものです。

で、お買い物終わったらそれでお開き。ええ、ジェントルマンですから。門限までには帰しますよ。ジェントルマンですから。その先の大人の時間は、ジェントルマンだからないよと思ったけどそうだよ夢の話じゃないか。夢の中なんだから何やったっていいじゃないか。そうとなればねっぷりどっぷりこってりなあれやこれやでうひひなあれこれが。

多分、こんな具合に穢れてるから、爽やかなデートの夢なんてものを見ないんでしょう。かと言って、穢れを祓ったら爽やかな夢を見る事ができるかというと、それもそれで難しそうです。んじゃいいや。穢れた夢のほうで我慢するんで是非よろしくお願いします。


【文頭】 「こんな夢を見た」で始める。
【文中】 「デジタル」「ライフ」を文中に入れる。
【希望】 おもしろい文章にする、といいな。


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