元旦の深夜。大晦日の夜更かし、もしくは元日の宴会で疲れて早寝する人も多いのでしょうか。今年のその時間、私は地元の友人宅で雑談に興じていました。

雑談で出て来た話題の一つが加齢に関するものでした。最近度々触れるように、もはや我々は「おっさん」と呼ばれる領域にいるのです。「お兄ちゃん」という呼び名にはもう戻れないのです。最近ではお肌にハリがなくなってきている気がします。仕事が忙しくなるとストレスやら何やらで胃薬も欠かせません。ベルトの穴は一つどころじゃないくらい動きましたし、筋肉痛は翌日には来ません。「みれにあむ」なんてものはもう過去のものなのです。昭和生まれなんて化石なんです。

もう我々も次の世代に目を向ける時期です。平成生まれである私の年下の従兄弟も今年成人式を迎えました。彼はかつて姉や親と言い合いになったときに「昭和生まれのくせに」などと口走ったと聞いています。なんという破壊力。昭和生まれの我々には何も言い返せません。彼に対抗できる戦力が現れるのは私の息子たちまで待たなければいけませんでした。息子達ならばみんなまとめて「20世紀生まれのくせに」と言えるのです。

次世代に目を向けるとして、数多くある心配事の一つに教育の問題があります。この場に集まったのは中学校の同級生達。私がいなければ「小学校の同級生達」という括りになったのですが、まあそれは置いといて。中学校までは義務教育であり、そこまでは地域ごとの校区となります。たまたま同じような地域に住んでいたために出会った連中なので、当然ながらその資質や特性は様々。もっと上、大学なんかの同級生だとしたら、その先の進路なんかも似通っていたりするのではないでしょうか。例えば私の高専時代の同期には、それなりの率でIT系の仕事をしている人間がいるように。勿論、全然関係ない仕事をしている人間もいますが、「そういう勉強をしてきた」以上、「そういう進路に進む人」は多くなるでしょう。また、「そういう勉強をする」ような学校に進学する以上は、ある程度そういう資質があるような人が集まりやすいのではないでしょうか。「受験してみたら合格したんで深く考えずに進学した」人もいるでしょう。それは否定しません。

しかしながら、この場の共通点は中学校。高校、そしてそれ以降の進路は様々です。大学から公務員という堅実にも程がある者がいれば、高専という知名度が低いところからIT系という難儀な仕事に就いた私がいます。専門学校を経て公務員になった者がいれば、民間企業から公務員に転職した者もいます。って、お前ら公務員率が高過ぎ。なんだその「幼稚園、小学校、中学校が一緒。途中が空いて勤務先が一緒」って。「公務員だからこの先定年まで一緒」ってか。

こほん。私が就職活動をする頃から、既に公務員という職種は花形でした。当時も当時で就職氷河期とか言ってたねー。ただ、彼らが揃いも揃って公務員になったのは偶然もあるでしょう。他の職種を目指していた者もいますし。そんな彼らが自分の子供達に対しても「公務員である事を望むか」というのはなかなか興味深いところです。ところですが、今回のお題はその手前。就職ではなく進学に関してです。

度々繰り返しますが、私は中学校卒業後に高等専門学校、所謂高専に進学しました。高専というのは簡単に言うと高校と短大をくっ付けたようなもんであり、卒業までに五年を要します。卒業後の進路は就職する者が多いのですが、一部にはさらに大学なりに進学する者もいます。就職にしろ進学にしろ、学校推薦という形を取る事が殆どのため、卒業時に進路が決まっていない人間というのは殆どいません。そういう意味ではこういう就職難のご時世に強い学校と言えます。私はというと、「ソフトウェアの勉強ばかりしたかったのに、半分くらいはハードウェアの勉強だった」、「これ以上半導体の特性だの電気回路だのの勉強なんてしたくない」という理由で進学という選択肢は全くありませんでした。いやまあ私の成績だと進学に関しての推薦はちょっと無理というか諦めろというか、まあそんな塩梅だったので。得意分野と不得意分野が明確だったので、トータルで好成績というのは望めませんでしたし。

私の奥さんは普通高校から短大へと進学しました。こちらはこちらで自分のなりたい職業に就くために進学し、そして卒業直後に私に手篭めにされて今に至ります。まあ色々あったんですよ。うん。その他、高校卒業後に専門学校に進学した友人なんかがいます。彼はその奥さんも似たような進路を進んだそうで。

私たち夫婦、そしてこの友人夫婦に共通する点。それは「大学に進学していない」という点です。「大学全入時代」なんて言葉も聞こえてきますが、そんな風潮とは全く関係なく「大学進学」という道が最初から無かった面々です。実際、その場に集まった友人達の中で大学に行かなかったのは我々だけです。片田舎のボンクラの集まりなのに大学進学率半分以上なのです。丁度教育関係の話題になったので、以前からの疑問をぶつけてみました。

「何故、大学に進学した人たちは大学の強弱が分かるのか」
「何故、大学に進学した人たちはどの大学が国立なのか公立なのか私立なのか分かるのか」

私たち夫婦は「センター試験って、全教科受けないといけないの?」というレベルです。大学入試に関する知識は皆無と言っていいでしょう。しかしながら、子供たちも無縁であるとは限りません。多少なりとも知識を得る機会は逃すわけには行きません。大学未進学組として、もう一人の友人も乗っかってきてくれましたし。やっぱあちらのご夫婦も似たような事考えていたそうです。不思議だよねー。なんでみんな知ってるんだろう。

私の中の大学知識なんて「国立大学が一番強い。その次が公立でその下に私立」「地名が付いている大学は多分公立系。県名とかだったら国立かも。カタカナは私立」「私立は金がかかる。医学部も金がかかる」くらいなもんです。「東大最強」くらいは分かりますが「慶應と早稲田はどっちが強い」とかなると「どっち?」とか聞き返してしまいます。そもそも早稲田大学が私立だと近年まで知りませんでしたし。分かっている人に言わせれば全然違うんでしょうが、私の中ではどちらも「関東の大きい大学」くらいの認識です。

今回新たに得た知識は「福岡大学は私立」というものです。「福岡県福岡市にあって福岡なのに私立とは是いかに」と思うのですが、相手が九州大学では仕方ありません。福岡対九州なら仕方ないよね。そりゃ九大の方が国立っぽいよね。でもそれなら東京大学より強い関東大学なんてものがあってもよさそうなもんなのに。四国大学とかはあるんだからさ。でも今調べたらこっちは私立らしいけど。もうさっぱり分からん。

あんまり明確な回答は得られなかったんですが、「大学のあれこれなんて、なんとなく覚えてる」んだそうです。そりゃ私も高校受験のときはそれなりに調べましたよ。受験半年前まで「滑り止めに私立を受験する」という事を知りませんでしたけど。もうちょっと遅かったかもしれないけど。滑り止めなんて、大学受験の話だと思ってたもんなあ。ただ、高校と大学では範囲が違います。高校はせいぜい隣県くらいまでですが、大学相手だと全国が範囲です。そんなたくさんの学校、覚えられるもんなんでしょうか。覚えられるもんなんだろうなあ。覚えてやがるからなあ。覚えなきゃいけないのかなあ。


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