「個人情報保護法」というものがある。正確には「個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)」とかいうらしい。今調べたが、「本人の意図しない個人情報の不正な流用や、個人情報を扱う事業者がずさんなデータ管理をしないように、一定数以上の個人情報を取り扱う事業者を対象に義務を課す法律のこと。」という解説もあった。

……何かおかしいと思ったら文体がいつもと違うのか。久しぶりに書いてるんで、自分の文章の書き方すら忘れてしまったようで。それはさて置き、個人情報保護法。最近よくニュースにて聞かれるのが「どこそこのサイトから顧客名簿が流出して被害総額がどれくらいでさあ大変」なんて事件。氏名や住所なんてものからクレジットカードの番号、はては購入した下着のサイズや色なんてものまで、ありとあらゆる物が流出しています。流出とはちょっと違うけど、とあるエロゲーのアンケート葉書だかなんだかの懸賞で当選したプレゼントが宛先不明で戻ってきたんでオフィシャルサイトに氏名住所がデカデカと掲載されていた、なんていう笑えない話もあります。

意図しない流出の他、元をたどれば自分が原因だった、なんてものもあります。常用しているメールアドレスで検索してみたら、破廉恥なサイトの利用形跡が残っていた、なんて事がそうです。メールアドレスだけでなく、ハンドルだったり氏名だったりと検索の種には事欠きませんが、それらの大半は自分で振りまいた個人情報です。私の場合、ハンドルで検索すると海外のお天気研究所みたいなところが引っかかりますし、本名で検索するとどこぞの軽自動車耐久レース結果なんていう、「俺の同姓同名の誰かさんは頑張ってるんだな」と思わせてくれるような検索結果しか返ってきません。日頃から情報を外に出さないようにしているのであれば、この問題はそれほど怖くないかもしれません。

しかし、自分がいくら警戒していたとしても、第三者が警戒していなければ徒労に終わります。最近の多発する情報流出は、まさにその典型でしょう。勿論、意図しない流出というのもたくさんあるでしょう。例えばシステム構築上の不具合が原因だとか。そういうお仕事なんでよく分かります。で、そういう「意図しない流出」を防ぐために、お仕事用のPCには最近いろいろと制限がかけられています。数年前であれば、毎週仕事用PCを自宅に持ち帰って雑文を書いたりできたというのに、現在では仕事場外へのPC持ち出しや、仕事場外からのPCの持込は許可がないと不可。単純なデータを持ち運ぶにも、ちゃんとセキュリティが考慮されたUSBメモリでないと不可、といった具合です。まあ、李下に冠を正さずと言いますし、多少面倒とはいえ従っておいたほうが無難ではあります。

しかし、そんな苦労も関係ない存在があります。先日、所用にて実家に戻っていた時の事。週末の夜でしたので、テレビでは二時間ドラマが放映されていました。主に母が、というか母のみがテレビ観賞していたわけですが、私はその後ろでポケモンのレベル上げを行っておりました。いや、ね、息子にこてんぱんに負けるんですよ。父として負けっぱなしじゃいかんでしょ。

で、ポケモンとは全く関係ないのですが、ゲームをしながら、新聞を読みながら、「この家のPCのプリンタはどう使うんだ」と唸る奥様の相手をしながら、その二時間ドラマを横目で見ておりました。優先度的に第四位なんで、話の筋なんかはよく覚えていません。「ストーカーと不倫と殺人と通り魔があって最後に公園で犯人が白状」みたいな筋書きだったと思います。最後の「公園で白状」を「断崖絶壁の上で白状」にしたら火曜サスペンスになるんじゃないかと思いますが、あまり気にしないことにします。
んで、オチはオチで逮捕だか自殺だかしたと思うんですが、問題は捜査途中の話。病院が舞台だったんで看護婦相手に聞き込みやら行ってたんですが、その聞き込み、というか看護婦の受け答えですよ。容疑者だか被害者だか知りませんが、その人物に関して、年齢や家族構成、果ては不倫関係まで話すというのはどういう事かと。いや、そりゃ警察の聞き込みに回答する、なんてことなら文句は言いませんよ。聞き込んでいたのは主人公と思われる女性。「警察官の妻」なんて肩書きが付いてましたが一般市民です。そんな相手に何故ぺらぺらと喋るのかこのおばちゃんは、と。この世界にプライバシーとか個人情報保護の概念なんてものは存在しないのか、と。それともおばちゃんには通用せんのか、と。

うん。書いてて「おばちゃんだから仕方ない」という理由が一番しっくり来ました。おばちゃんなら仕方ないよな。


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