年末なり夏場なりの風物詩の一つに「宝くじの発売開始」というものがあります。「どこそこの売り場では朝早くから行列ができ」たり、「この神社にお参りをする人が多数やって来」たりする光景が夕方のニュースなんかで放送されます。このニュースを見ると、「ああ、もうすぐ元八王子バス停や綾瀬バス停を先頭に十数キロの渋滞があるんだろうな」という気分になります。ところで、「元八王子バス停」って、「元」八王子バス停、「元八王子」バス停、元「八王子バス停」のどれなんでしょうか。いや、別にバス停に興味は無いのですが気になってしまって。

宝くじの類は何種類かあります。毎週抽選が行われるナンバーズやロト6のようなもの、定期的に抽選が行われるけれどもあまり目立たない地方公共団体あたりの宝くじ。そして、「全国のニュース」扱いになるような年末ジャンボのようなものまで。資金に余裕がある時は私も「全国のニュース」レベルの宝くじを購入します。とは言え、購入額はそれほどでもありません。一度の購入枚数は三枚。計九百円が私の投資額です。

他のものはさておき、年末ジャンボ、サマージャンボでは一等の他に前後賞だの組違い賞だのいろいろとあります。よく宣伝している「三億円」という数字は一等と前後賞の賞金を合計したものです。つまり、宝くじを一枚だけ購入したとしても三億円は手に入れることができません。三枚以上購入することで初めて、三億円という当たりを手に入れるチャンスが手に入るのです。しかも宝くじを購入した段階では、まだ夢を見る権利を手に入れたにすぎないのです。

とは言え、この「夢を見る権利」を得た段階が一番楽しいのもまた事実。どうせ抽選が行われた後はただの紙くずになってしまうのですから、それまで夢を見るくらいいいじゃないですか。「やらない善より、やる偽善」というやつです。たぶん全然違うけど。

「毎回三枚購入」ということから、きっと我が家では「三億円当たったら何に使うのか」という話が出ている、と想像される方もいるでしょう。しかし、残念ながらその想像は正解ではありません。我が家では「六億円当たったら」という会話が行われています。

「一等と前後賞で三億なのに、何故六億なんだ」と思われるかもしれません。しかし、よく考えてください。連番で三枚購入したとすると、真中が一等で二億円、その前後が前後賞でそれぞれ五千万円となります。では、バラで三枚購入し、その三枚が全て一等だとしたら?そう、合計は六億円になります。

私は毎回、連番でなくバラバラの番号で三枚購入しています。この、「三枚で六億円計画」のために。不思議なことに、私の偉大な計画を理解してくれる人はあまり多くありません。多くないどころか一人もいません。毎回毎回馬鹿な妄想には参加してくれる相方さえ、計画には賛同してくれません。それどころか、「同じ売り場には複数の一等は存在しない」などと私の意欲を削ぐ発言までしてきます。しかし、私はへこたれません。いつの日か必ず、私の理論が間違っていないことが証明されるはずです。

え?戦果?ええと、その、「春先にPCを買い換えるために家計から借りた五万円を未だに返済していない」という事実でどうかひとつ。


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