「あの○○が来日」なんてニュース映像を見ると、空港に多数のファンが押しかけている場面を見る事ができます。SPやらなんやらに囲まれて颯爽と歩いていく、その○○。押し寄せたファンはその様子を一目見ようと頑張っています。

自分の目で見ることができなくても、なんらかの媒体にその様子を記録しようとする人たちもいます。カメラなり、ビデオカメラなりの道具を使用してその記録を残そうとする人たちがいますが、日本ではこれに加えて不思議な物で記録を残そうとする人がいます。そう。携帯電話を使う人たちです。

我々には「最近の携帯電話にはカメラ機能が内蔵されている」という知識があります。そのため、有名人に向かって携帯を向けている人を見たとしても、「ああ、写真を撮っているんだな」ということが分かります。しかし、例えば海外の人たちが同じニュース映像を見た場合、どのように思うのでしょうか。
「日本人は電話を使って何をやってるんだ。イッツ ニンジャ マジック!フジヤマ スシ ゲイシャ ハハハハ」などと、誤った日本観を植え付けかねません。

初期の頃は面食らった人もいるんじゃないでしょうか。
「なんでこいつは俺に携帯電話を向けてるんだ?ひょっとしてその電話に出ろということなのか?」と思った人もいるかもしれません。勿論、そう思いながらも営業用スマイルは崩さずに。それに対しておかまいなしに電話を突きつける群集。なかなか異様な風景です。

カメラなんて物はそうそう持ち歩くものではありません。せいぜい観光旅行中の日本人が首からぶら下げる程度です。無論、その日本人は眼鏡をかけてますよ。間違った日本人観バンザイ。

もっとも、世の中には様々な人がいるわけでして、それこそ飲み会の度に写真を撮りまくる我が友人高某のような人間もいます。その逆に、海外旅行に行きながら道中で撮った写真は三枚きりなどという我々夫婦のような人間もいます。どちらがいいとは言えませんが、子供の記録くらいは残した方がいいのではないかと最近よく思います。デジカメのデータを整理していると、三月の次の写真が九月だったりしたもんで。

あまり持ち歩かないカメラですが、常に持ち歩いているはずの携帯電話に機能が搭載されているとなると、それなりに使用頻度も増します。無論、我々夫婦は例外ですが。全然撮らないし。宝の持ち腐れです。しかし、世の中では「コンビニで雑誌の内容をカメラに収める」なんて犯罪のような事も日常茶飯事であると聞きます。スペックだけ見れば結構高機能なデジカメが「おまけ」として使えるんですから。

さて、この日本発である「携帯電話にくっついたカメラ」という玩具。もし、企画段階でカメラがくっついたものが携帯電話でなかったとしたらどうなったでしょうか。できれば「これぞ日本文化」といった物にくっついてると面白そうですな。

「デジカメ付きウォークマン」だったら。
そう言えば「MP3も聞けるデジカメ」というのはあったような。普及したんだっけ?

「デジカメ付き刀」だったら。
切腹シーンもリアルに撮影。ご覧下さい。この鮮やかな筋繊維を。

「デジカメ付きゲーム機」だったら。
実在するし。普及しませんでしたが。往々にして「携帯型ゲーム機にくっつける○○」というものは普及しないような気がします。

「デジカメ付き寿司」だったら。
いや、くっつかないし。

なかなかしっくり来るものはないようです。携帯電話にくっついたからこそ意味があったのかもしれません。しかし、こう、なんか、世の中をあっと言わせられるような組み合わせはないものでしょうか。やはり日本人の象徴たる「デジカメ付き眼鏡」が出てくるまで待たねばならないのでしょうか。


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