昨今の小学校高学年の平均お年玉奪取額は2万5538円だそうです。ほんの3年前までお年玉を貰っていた私ですら、そんな金額に届いた事はそうそうないような気もしますが、そんだけ貰っているらしいです。そんな私も高専卒業、就職と共に貰う側からあげる側へと変わってしまいました。運の悪い事に、母方の親戚内では従兄弟7人中2番目の年長者であるため、5人もあげる相手がいます。父方の実家はちょっと遠方のうえ、数が多すぎて誰が親戚やらわからず、結局貰えないという事が多々あったので、なんか取られ損のような気もするんですが。せっかく親父は5人兄弟の末っ子なのに。

で、あげるお年玉。父方親戚の従兄弟連中は全て私より年上ということもあり、私がお年玉をあげる相手は母方の親戚ばかりです。この中には私の妹も含まれます。簡単に母方の親戚構成を解説しますと、母は3人兄弟の長女。兄と妹がおり、兄の家族を除いて皆同じ市内に住んでいます。兄には2人の娘が、妹には息子と娘が、そして本人には息子と2人の娘がいます。年齢順にすると兄の長女、本人の息子(私)、兄の次女、娘2人(私の妹達)、妹の娘、妹の息子、という順番になります。最年長は私よりちょっと年上、最年少はまだ中学生です。たしか。干支一回り程度で収まってるわけですね。ちなみに、父方親戚の従兄弟連中になると、干支二周りで収まっている保証がありません。わーお。

ということで、以下は母方親戚の話に限定しましょう。どうせ父方従兄弟の子供達なんて正月には会わないし。私がお年玉をあげるのも今回の正月で3度目です。私の場合、初回から何らかの仕掛けをしてきました。とは言え、正月から年下の子達をいじめているわけでもありません。単純な仕掛けです。「くじ引き」です。

あらかじめ総額を決めておき、金額がばらばらになるようにポチ袋に投入、それを各自に選ばせるというものです。一応空クジなしですが、当たりと外れの金額差は2倍程度になるようにしています。基本的にお年玉というものは年功序列で金額が決まるものだと思いますが、私は断じてそれを認めません。弱肉強食です。という事で、そのお年玉くじを皆に引かせてみたら。
従姉妹(母の妹の娘)が泣いてしまいました。彼女が最少額、彼女の弟が最高額を引き当てた事が原因のようです。結局泣かせちゃったよ。えへ。

翌年は、いつもは現れない伯父の娘達がやって来てました。姉のほうはともかく、妹のほうはお年玉対象年齢です。やむなく投入金額を5000円増。なかなか痛い出費となりました。いつもならお年玉対象者は4人で済むのに。かと言って、投入金額をそのままにするのも苦情が出そうだしなぁ。

そんなこんなで今年もお年玉の季節がやってまいりました。普通は「正月になった」と言うんでしょうけど、なんとかくそんな表現をしてみました。さて、色々考えた結果今年は宝くじ方式はナシ。全員同額です。無論、仕掛けは別に準備しています。

はーい、全員集合。毎年恒例お年玉の時間でーす。
「またクジ?」
いや、今年は違います。さて、この中には4000円入っています。どれも中身は同じです。当たりも外れもありません。で、それだけではつまらないので。
「何?」
『じゃんけん』をする権利をあげます。
「じゃんけん?」
そう、じゃんけん。ルールは簡単。じゃんけんして勝てば2000円追加します。あいこと負けは1000円没収。なお、じゃんけんは2回まで参加できます。
「???」
無論、参加は自由。何もしなければ4000円そのまま持って帰れます。
「……」
で、じゃんけんに2回勝てば、なんと8000円も持って帰れます。
「凄い!」
ただし、2回負けるか、2回あいこなら2000円しか持って帰れません。
「えー、やだー」
嫌ならじゃんけんしなければいいだろ。やるもやらないも自由だ。

ここで早速私の上妹が戦線離脱を表明。さすがに20歳ではこの仕組みに気付くか。そう、皆様お気づきのとおり、この勝負の期待値を計算すると差し引きでプラスはありません。仮に3回勝負をして勝ち、負け、あいことなった場合、賞金は+2000円、-1000円、-1000円となります。実際は2回勝負なので、僅かながら没収される確率が高くなります。上妹はこの仕組みに気付き、そして現在受験生の下妹も戦線離脱を表明しました。現在悩んでいるのは従兄弟の姉弟のみ。さあ、どうする。

「やる」
親戚連中の最年少。従兄弟(弟)が参加を表明しました。8000円の誘惑に勝てなかったようです。正月早々ギャンブラーな奴め。そして、何故か盛り上がる周囲。親父が起きてたら「写真を撮ろう」くらいは言い出しかねない盛り上がりっぷりです。緊張が高まる中……
「じゃん けん ぽん!」

負けました。2000円のマイナス。調子に乗って再戦を申し込んで来やがりましたが、さすがに2戦目は返り討ちに。それでも、彼は見事に1000円をゲットしました。それを見てまたも悩む姉。結局彼女は参戦しませんでしたが、それでも納得の表情。結果として誰も損をしない、めでたい正月となりました。そう、誰も損をしていないんです。私ですらも。

昨年までは「1人当たり5000円」をベースに計算していたため、一昨年は総額20000円、昨年に至っては25000円もの出費を強いられていました。しかし、今年は総額がダウン。じゃんけんでの出費を考慮しても総額17000円の出費で済んだのです。前年比で3割以上もの歳出カットです。いやあ、なかなかいい方法を考えついたものです。しかも、来年からは私の上妹がお年玉対象年齢から脱落するという事で、更なる歳出カットが見込まれます。来年はどうしようかな。また同じ方法にしようかな。


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